ミシュランガイド 香港 三ツ星レストラン 龍景軒
仏タイヤ大手ミシュランが5日発売した「ミシュランガイド 香港・マカオ」をめぐり、香港で論争が起きている。東京に次ぎ、アジアで2カ所目となる同書で、香港の評価は、最高の「三つ星」が1店のみ。東京の9店に遠く及ばず、グルメを自任する香港人から「欧米人に地元の味は分からない」などと反発が上がっている。
同社によると、覆面調査員が昨年末から約1万5千軒を訪れた。その結果、香港での三つ星はフォーシーズンズホテル香港の広東料理店「龍景軒」のみ。一つ星、二つ星も含めた星付きレストランも22店にとどまった。一方、マカオは星付きが6店、うち仏料理の1店が三つ星に選ばれた。
地元紙は「世界で初めて三つ星に選ばれた中国人シェフ」と喜びの声を伝える一方、星付きレストランが少なすぎるとの不満も。「欧米人の味覚で選ぶのは不公平だ」(明報)、「外国人は美食の選び方を心得ていない」(星島日報)といった専門家の批判も伝えている。
一方、英字紙サウスチャイナ・モーニングポストは、09年版で173店が星付きに選ばれた東京と比べ、「味は標準以下でサービスが悪いのに高額な店が香港に多すぎる」と指摘。「ミシュランの評価のためでなく、香港人の味覚のためにも改善が必要だ」と主張している。